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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第15話 衰退組織は、誰かに依存する 成長組織は、機能に依存する

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先日セミナーの後に、またまた、ある大柄の熟練経営者の方からご相談を受けました。
その経営者の方曰く、主力である事業の責任者の方から突然退職の意向を告げられて 大変困っているとのこと。

聞けば、創業当初から10年ほどは社長自身が育てた事業で途中から今の責任者 に任せたとのこと。その事業部長が大変切れ者だったこともあり、全てを任せて、自分は 他の事業のサポートに回って5年が過ぎたそうです。

その事業部は、この5年で売上げ2.5倍になり、絶好調、社長が来期の見通しを ヒヤリングしようとしたら、体調不良を理由に、退職の意向を聞かされたと。

社長自身は、もう前を見据えて手を考えていらっしゃるご様子だったのですが、事業部長がいなくなれば、多くの事が止まりかねないと心配なご様子。

組織の詳細を聞いてみれば、組織上は部長3人いるのですが、その下の主任との力量の違いは不明で、なんで部長なのか分からない。。。とのことでした。


 

誰か一人が抜けたらすぐにダメになるチームや、組織。

組織の大小を問わず、この現象は頻繁に起こります。ただ、大企業は人がワンサカいますから、なんとかなります。しかし、経営資源が限られるサイズの組織では下手をすれば、会社が左前になってしまいます。

このリスクはなんとしても避けなければなりません。

ところが、起業してからある程度の規模までの間には、こうしたことが繰り返されて企業は大きくなっていきます。これもまた事実です。

ところが、ここに落とし穴があります。この創業期の大変な苦労を乗り越えた経験がマイナス要因になってしまうことがあるのです。企業の発展段階でいうと、創業期から成長期へ移行する時、創業期のやり方は通用しなくなります。創業期の成功体験は「変な成功体験」となってしまいます。

まるで、テスト前の一夜漬けでそこそこの点数がとれると、普段から勉強したほうがいいことは分かっても、 ついつい一夜漬けに頼ってしまうということが起こりますが、これとまったく同じ構図です。


 

社長が、人の抜け穴をしばらく兼務でしのぐ。あるところで、社長から誰かに渡す。 また誰か辞める。また社長が兼務。しばらくひて渡す。また辞める。。。。

社長はシャカリキに頑張っているのですが、組織は徐々に疲弊し、衰退していきます。

この現象の問題点は、2つあります。

■1つは、ノウハウが積み重ならないこと。

後任が見つかった後は、なんとなく同じように回っているように見えますが、完全な勘違いです。リレー競争でバトンを落としたチームは決して勝てません。競争相手からドンドン引き離されていってることを忘れてはなりません。

■もう1つは、人が育たない文化が育まれること。
これは知らず知らず培われてしまうもので、中長期的にはこちらの方がやっかいです。「社員が会社のことを信用しない」そんな状態でお客様が会社を信用が生まれるはずがありません。発展の芽のかけらもありません。

この組織の衰退現象は、社長がある決断をするときまで繰り返されます。
社長がするべき決断とは、「誰か」に依存するのを辞めることです。


 

成長する組織には、まったく逆の光景があります。部門、部署、チーム、組織、それぞれの機能が明確です。更に、役職者の機能も明確です。だから迷いがない。

こうしてお話すると、「そんなことを出来るのは、大企業のような余裕のあるところだからでしょう」 という反応があるのです。が、そう言いたくなる気持ちよく分かります。私自身、最初の急成長ベンチャーに時にそういう反応をしていましたから。

だからこそ、敢えて申し上げます。

こういう反応をする人は、自分の怠惰を言い訳にしている人です。リーダー失格。
自分の怠惰を棚に上げ、組織をめちゃくちゃにしようとしているのですから。


 

経営資源が少ない組織には、少ない組織なりの戦い方があります。経営資源が少ないことは消してマイナスばかりではありません。資源が少ないなりの戦いに勝利できれば、資源が豊富な組織を凌駕することも可能になります。資源が少ない戦いに勝利した組織は、その業界でダントツの早さを身につけることを意味するからです。

 

さて、御社の場合は如何でしょうか?

各部門の機能は明確になっていますか?

もし、機能は明確だとしたら、機能が明確であると断言できる理由は何ですか?
もし、機能が不明確だとしたら、機能を明確にするための具体的な手順はありますか?