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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第18話 衰退組織幹部は不条理に憤慨する 成長組織幹部は不条理を許容する

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先日ある企業の幹部の方とお話をしていましたら、最近お辞めになった幹部の方のお話をしてくださいました。そのお話の内容は、私が感じていることと共通することも多かったのでとても印象残っています。

急成長する企業の社長を支える役員、幹部の方々とお会いしていますと、正義感溢れ、真面目な方々が多いと感じています。ところが、その正義感が時々間違った方向に向かっていくと、馬力があるだけに会社を揺さぶるほどの負のエネルギーを放ち始めます。


 

私が以前コンサルティングをした企業にも、正義感溢れる幹部の方がいました。その幹部の方の正しい基準から外れた途端に、誰彼かまわず牙を向く。そんな一面がありました。その方の率いる部門は、創業期からある事業で、一時はその会社の利益の8割を稼ぐ誰もが認める大黒柱でした。ところが、創業10年目を超える頃から外部環境の変化と共に、下降傾向になってしまったのでした。

私がお会いした頃は、ライバル会社よりも落ち込むペースが大きく、会社としてもお荷物扱いでした。部門のスタッフも他部門への異動と、退職とで、毎年減る有様。その幹部のお話に耳を傾けますと、外部環境の急激な変化、主要メンバーの退職、そして、社内からの冷たい仕打ち(と感じていた)に対して、激しく憤っている様子でした。


 

事業を営む中で、法律が変わる、技術が変わる、景気の転換等、一企業ではどうにもならない変化に襲われることがあります。こうした変化に対し、衰退組織の幹部と、成長組織幹部の対応は、キレイに分かれます。

衰退企業の幹部は、まず怒る。そして、怒る。怒る、と感情的な反応をします。一方成長組織の幹部は、正解が分かってるわけではないのですが、次の一手を次ぎ次に繰り出して行きます。

他にもこんな事例があります。ライバルに出し抜かれたりするときの対応です。地域性、商品特性、顧客対象が違いを並べ立て、如何に競争条件が不公平であるか主張するのが、衰退企業の幹部。

成長企業の幹部の場合は、そもそも、そこの違いを理由にしません。その状態はその状態として全て受け入れた上での対応です。


 

不条理に対する反応は、思考のクセとも言えます。すぐには直らない代物ではありますが、この「ひがみ根性」「被害者意識」は生まれつきではありませんので、修正することはできるのです。

幹部の思考のクセは、かならず組織に伝染していきます。新入社員なら、見事に数週間でその思考にどっぷり染まってしまうのです。放置することは、許されません。

 

さて、御社の場合は如何でしょうか?

業績が芳しくない部門を思い浮かべてみてください。

不条理に対して、憤ることが当たり前になっていますでしょうか?

それとも、

不条理に対して、わだかまりがあったにせよ、許容し対応していくことが当たり前になっていますか?

もし業績不振の理由として思い当たるのであれば、若い部下の影響が心配されますので、すぐに対策をとるべきです。