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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第39回 衰退リーダーは、素直さ大切と言いつつ口答えする 成長リーダーは、すぐ実践し素直さを示す

「1000万円出したって、なかなかいい人、来ませんよ!実際そんなにださないですけど。。。」

折角の追い風を受けきれずに、機会損失が続いているある部門の役員がと採用が進まない現状に対してイライラを口にしました。

「いい人が来ない」という言葉は誰が最初に言った言葉なのでしょうか?以来、100万回以上は、そこかしこで、繰り返されている言葉に違いありません。

私自身も、採用で苦労した経験はあります。自分が実業で採用にも関わっていた時、その業界はもっとも採用が難しいという業界でした。確かに期待通りに人が来るわけではありませでした。いつもいつも採用のことばかりを気にかけていましたから。

しかし、業界全体で足りないといわれながら、全部の会社が人不足だったかというと、そうではありませんでした。社内を見渡しても、全部の支店でどこも人が足りていないかというと、そうではなかったのです。

人を入れても入れても、人が辞めていき、売上げが停滞する支店もあれば、人が入ってないのに、売上げを上げていく支店もある。そしてこれは、現在、支援している会社でも同じことが起こっています。

人を入れても入れても、人が辞めていき、恒常的に人が足りない会社、部署、部門、支店。
人の人数が変わらなくても、ある一定のところまでは、生産性の改善で業績が改善していく会社、部署、部門、支店。

極論、暴論という批判を覚悟で言えば、人が辞めなければどの会社でも人は足りています。

 


 

「いい人が来ない」「人が足りない」という会社、部署、部門、支店の責任者に次ぎ2つの質問をしてみたら、何が問題なのかが浮かび上がります。

今まで辞めた人は、全部辞めるべくして辞めたのか?
今まで辞めた人の半分が残っていたら、それでも人は足りないのか?

私が知る限り、2つの質問に、YESと答えられる人はいません。

その組織が抱える、人が辞める理由を取り除かない限り、人不足は解消できません。長時間勤務は、確かに人がやめる理由の一つではあります。
しかし、これは、一要素に過ぎない。更に、重大性からいうと、1番でも、2番でも、3番でもありません。

 


 

人が喜んで働く会社、部署、部門、支店は、そのリーダーの手腕によります。
その逆もしかり。

新卒、中途入社を問わず、初日は、不安と期待の交錯の中で会社に出社してきます。
出社日が重なるにつれ、入社した社員の目が輝いていくのか、逆に目から光が失われていくのか。リーダー次第。

これまで1000名以上の企業の経営者、経営幹部、次世代リーダーの方々と個別の面談を重ねてきて一つ分かったことがあります。

それは、社員を活性化させることができるリーダーと、社員を不活性化させてしまうリーダーの違いです。

そして、

その要素の一つは、リーダー自身の素直さです。

 

成長を促進するリーダーも、衰退を促進するリーダーも、部下を育成するという役割を持った人があるなら、成長する部下の条件として、「素直さ」は第一条件に上がってきます。

これまで出会った全てのリーダーは「素直さ」が自分自身の成長にとっても重要だと言い切ります。

ところが、実際に、「素直さ」を発揮しているのかどうかを見ていくと、真っ二つに分かれるのです。

自らが、社員のお手本になる素直な成長リーダー。
そして、素直さを大事だと言いながらも、頑固を地でいく、衰退リーダー。

衰退リーダーと話していると、「素直さって大事ですよ。」と自ら言った端から、社長批判、上司批判が始まったりするわけです。 私が発言を遮って、「社長の指示、上司の指示を素直に受け取るとはどういうことですか?」と確認しても、キョトンとします。

 


「まさか、そんな、馬鹿なことがあるか!」と思われるかもしれません。
でも、これは実際によく遭遇する事例です。

本人は、悪気無く、頑固なのです。

昨日よりも今日、価値を高めなければあらゆる会社は生き残れない現代において、組織に必要なのはしなやかさであり、それから生み出される創造性です。

ところが、悪気無く頑固な衰退リーダーは、前例にこだわり、組織の硬直化を推し進め、価値の生み出す環境を自ら壊しにかかっているわけです。

幹部が素直さを欠いた、悪気のない頑固のままでは、本来うまくゆくものも、うまくいきません。

 


 

では、どうするのか?
頑固さは克服できるのか?

経験上分かっていることは、頑固さは驚くほど簡単に克服できるケースもあります。自らの頑固さに気づき、素直さを実践することができるようなった経営幹部の激変ぶりは、組織に強大な成果をもたらします。

最初の一歩は「あなた、それは素直さのかけらもないことやってますよ」と認識してもらうことです。

これだけで、改善する人も中にはいるのですから、やらない手はありません。
特に、私のように外部から言われる場合は、本人も相当なショックを受けるようです。

もちろんこれ、楽しい場面ではありません。
多くの場合は、勘違いしている役員は、自分が組織の最大の功労者だと言っているような人です。中には怒り出す人もいます。

私の方からは、功労は過去の話で、今はどれだけ組織の足をひっぱているのか、をお伝えし、しっかりとその認識をもってもらうのです。
しっかり受け止める人にとっては大きな転機です。

とある企業の10億を超える事業を統括する取締役にもその転機を迎えた一人です。
他事業部の業績が伸びるなか、3年間ほど彼の事業部のみ停滞していたのです。彼は創業から社長と二人三脚で会社を支えてきた功労者。しかし、過去3年は鳴かず飛ばず。業績は停滞し、更に離職率が高止まりする状況が続いていました。

転機を迎えた後の彼の動きはめざましいものでした。目が覚めたように、言動、行動が変わっていったのです。 半年間で、離職率はミルミル低下し、1年で、二桁の成長事業への転換となりました。

前にも述べたように、このケースは珍しいものではありません。
もともと力はある人達ですから、まさに目覚めたように、言動、行動がガラリと変わります。

 


 

さて、御社は如何でしょうか?

御社の幹部社員は率先して素直ですか?
頑固者のお手本ですか?