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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第123回 衰退する組織にはびこる悪しき判断基準=○○基準

Y社での会話、「だから、わかるよ!○○君のさ、その考え方。だけど、この会社のやり方
は、ずっと前からこうなんだよ」とH部長は、S課長の提案を退けました。

M社での会話、「わかった。うん、社長に聞いて見るよ。まぁでも、社長はこういうの
あんまり好きじゃないから。まぁ、ダメ元で聞いてはみるよ」とY専務。社長の名前をだして、やんわりとT部長の提案は却下であることを伝えました。

N社での会話、「そうじゃない。前からやってきたやり方はそうじゃない。まず今までのやり方をしっかりやりきればいい」広告効果の低下傾向から脱すべく、新しい手法を提案したK部長。それをとかたくなに、自分の成功事例を元に、自分のやり方に固執するM取締役。

それぞれ、別々の会社ではありますが、部下の提案に対する3人の上司の反応には、ひとつ共通なことがあります。

それは、判断基準が全て過去基準であることです。対話には自分の思考のクセがもっともよく現れます。過去基準で判断する傾向があると、いつも同じように過去基準で判断し、端的に言うと、「今まで通りじゃないとダメ」と言って全て退けているのです。

競合のない会社はありません。「以前はこうだったから、今度もこうなるよ」という考え方をしていたら、競合に出し抜かれてしまいます。競合がやっていないことをしなくては勝ち残れません。


私がこの話をすると、時々反論をもらいます。その反論とは、「過去の話であっても、改善策を、対応策を考える上で重要なもののはず。過去の話にも重要なことがあるはずだ。」というもの。

もちろん、顧客クレームや、事故の再発防止のためには、原因究明なしには、先に進みません。過去基準が全て悪いわけではありません。しかし、過去基準に基づいた過去の延長か、未来基準に向かって未来の創造か、どちらの対話が多いのか、一度振り返るべきだと思うのです。

組織が停滞してる組織や、問題を抱えていますという会社では、判断の基準が過去基準ばかり、、、は結構な頻度で遭遇します。

実際にその組織に入って、常務と部長、部長と課長というように、階層の異なるマネジメンの対話を聞いていて、その共通性に驚くいてしまいます。まるでそれが企業文化になっているように、誰も彼も過去基準で判断する組織があるのです。


何もしなければ、最も確からしく明日は、昨日とほぼ変わらない。こうして、未来は過去の延長になります。

「過去こうだったから」
「今までこうだったから」
「お前はは今までこうだったから」
「内の会社は、こういうやり方でやってきたんだから」

過去の踏襲は、重力のように、全ての物事を過去に引きづっていってしまいます。課題が生じると、何でも過去に引き当てる。慣れてしまうと、これは一番簡単な課題解決の方法になります。

衰退リーダーは、その過去の重力に何のためらいもなく、身を委ねてしまうのです。重力に抗うのはエネルギーがいりますから、簡単に過去の基準になびいてしまうというわけです。

もちろん、経営者は誰一人として、過去基準の組織なんか作りたいと思っていないはずです。しかし、実際には、多くの企業が過去基準に染まっていきます。なぜか?それは、その組織の上司と部下の対話が過去基準になっているからです。

そもそも社長が幹部も含め、社員との対話が過去基準になっていると、オセロのように、組織全体が全部、過去基準に染まっています。

今、この記事を読んで「あ、やばい」と思っても大丈夫です。対話を未来基準に変えるのは、多くの社長は、4ヶ月も関わらずに変えていくことができます。

この変化の様を言葉で伝えられないのがいつももどかしいですが、まるで映画か、ドラマのように、劇的な変化が起こります。


さて、御社では如何でしょうか?

過去に縛られ、過去基準のリーダーがいますか?その結果、向上心、成長意欲を抹殺された社員は増えているはずです。もし、そうだとして、いつまでその状態を続けていきますか?