代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第150回 社長が方針も、戦略も、戦術も決める!?ダメだそりゃ

売上げ40億円の東北の会社。製造と販売を手がけます。H社長は生粋の技術者。でも、マーケティングも、販売も、社長が手がけています。

このコロナで、売上げ不振。資金繰りが急速に悪化して、社長は、資金手当に奔走。半年分の運転資金は確保したものの、8支店からの報告は「例年の50%の集客しかか出来ない。」「毎月10%ずつ減っている」「お客さんが戻ってこない」そんな報告ばかり。

豪傑で知られたH社長でしたが、先日zoom面談した時は、PCの画面越しにでさえ、はっきりわかるほど頬がこけて、げっそりとお痩せになっていました。

「地域の特性や、知名度にも差があるから、同じやり方を指示するわけにいかないんですよ」そうおっしゃる。

半年前にセミナーにお越しの際には、「私はね。全部わかりますから。顧客が何を考え、何を感じているか。だから、私の指示通りやればかならずうまくいきますから。わっはっはっはっ」

天井がとても高く開放感のある都内のホテルのラウンジで高らかに笑っていた社長とは別人のようでした。


今、将来への不安に飲み込まれそうになっている社長は、急速にその数を増やしていることでしょう。

人間ですから感情のひとつである不安を感じるのは、至極当然のこと。不安があるからこそ、私達は危険なことを回避しようとするのですから。

不安を感じることは自然なこと。悪いことではない。でも、その不安が長続きすることは、不自然なことです。不安を長く感じると、どんな人でも動けなくなります。不安に飲み込まれてしまします。

社長は、ちょっと変わった人が多いですけど、やはり人です。そこは共通です。だから、同じようになる。社長でも、不安に飲み込まれると、やっぱり同じことが起こるのです。

ところが、H社長のように、社長が全部指示を出している場合で社長が不安に飲み込まれるとどうなるか?

会社の動きが止まります。不安は、思考を止めます。すると、行動は減ります。行動が減ると、成果が下がります、というわけです。

社長だって人ですから、不安に無縁ではない。だから、社長が全部を取り仕切る、これは危険極まりない。

常時でも危険ですが、このように危機の状態になると、社長一人が全ての決定を迫られる状態であると急速に膨れ上がる問題の数に対して、処理能力が追いつきません。

現場に近ければ近いほど、日々の変動に合わせて、細かな修正が必要になります。

30名、40名を超えたサイズの企業で、社長が戦術レベルに関与するのは、まず無理です。

では、どうするのか?


社長は方針を決めるだけでいいのです。そして、社長の直属の部下、取締役や部長の
戦略の遂行、変更、改善の相談にだけのればいい。

「そんな教科書通りみたいな話、理想論だろ!」そう言いたい気持ちはわかります。
やり方がわからない人はそう思うでしょう。

しかし、元、”全部私が決めていました”社長も今は、完全に方針だけ考え、伝えるだけ、
で組織は回っています。

先日も2週間前にマネジメントの技術を学んだ、自他共に認める、マネジメント苦手の42歳男性が、2回目の面談の時に、驚きの成果を手に入れました。

まず、予算達成です。そして、3年間言い続けてできなった、店の運営ルールの徹底実行されました。

この形式がうまくいっているのは、タマタマではもちろんありません。一つや二つの事例でもない。マネジメントは技術なので、技術を習得した人はホントに面白いように、成果を出します。

マネジメント技術の真骨頂は、小学校3年生でも分かるように作られていることです。だから上手くいくのです。組織で複雑なことはまず上手くいきません。

ちょっと見渡してみてください。

やりかけて、そのままになっている制度、営業戦略、諸処の仕組み。。。実際、私がご支援する会社の場合は、このマネジメントの技術を習得することで、制度や、戦略が動き出すということを経験されます。

もし、「社長がそうする!」と決めれば、それは、半年後には、ある程度実現します。

きっと、「こんなに早く、組織って変わるのか?」と驚かれることでしょう。


組織を変えるためには、制度や、仕組みを変えないとダメだと頑なに信じている人がいます。それは間違いです。

例えば、人事評価制度は、どんなに早くとも効果が見えるまでに、1年はかかります。「3年はみてください。」と言われた社長も少なくないはずです。

「今、その時間を待てますか?」「会社の運命をそれに託せますか?」「ホントにそれをして、変わると断言できますか?」

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なぜ、マネジメント技術の習得と実践がそれほど早く効果につながるのか、これまでもお話ししてきた通りです。

目の前の部下が成果を出すように設計していることをただ実践するだけです。社長が方針を伝えるだけで、会社が回る。これは夢物語ではありません。

今までは、社長が、方針も、戦略も、戦術も全部決めてこれたとしても、これ以上やると冒頭の事例のようなことになります。

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実際にちょっと、ご自身の会社を点検してみてください。

「あなたが方針を決めるだけで、組織は回っていますか?」「それとも、あなたが方針を決めて伝えても、散会することなくあなたかの指示をただただ待っているのでしょうか?」

その状態をいつまで続けますか?否、その状態をいつまで続けられますか?