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コラム「組織の成長加速法」-第223回 売上げなくして、すべてなし。売上げを上げながら社員が勝手に成長する組織を創る!
売上がなければ、何も始まらない──その現実から目を背けない
「売上なくして、すべてなし。」
これは、私が20代で初めてベンチャー企業に飛び込んだとき、経営者から繰り返し言われた言葉です。
当時は、正直ピンときていませんでした。しかし、その後いくつかの企業経営に関わり、現場で汗をかきながら数字を追うなかで、身をもって痛感しました。
この言葉は経営の核心を突いている。売上がなければ、どんな理想も、理念も、夢も、実現できない。
私の中でこの言葉はもはや「考え方」ではなく「感覚」になりました。
気づけば、脊髄に刻まれていたのです。
業界が苦しくても、売上を伸ばす企業は存在する
ある年、私が関与した企業は、まさに業界全体が冷え込んでいる状態にありました。新規顧客の獲得は鈍化し、既存顧客の単価も下がる一方。社員からは「時代が悪い」「競合が安売りしている」という声が上がっていました。
しかし、よく見ると、その業界でも売上を伸ばし続けている企業が、確かに存在していたのです。
「なぜあの会社は売れるのか?」
答えは明確でした。
運動量が違う。行動量が違う。
売上がゼロでない限り、改善の余地はある
私たちがこれまで支援してきた企業で、「売上が全く上がらなかった」というケースは一つもありません。
もちろん、業種やサービス、商圏の違いはありますが、共通しているのは、「売上ゼロではない」という点です。
売上が1円でもあるということは、市場にニーズが存在する証拠です。
そして、競合がいる市場なら、No.1企業がいて、そのあとにNo.2、No.3がいるはずです。
つまり、ポジションを上げることも、売上を伸ばすことも、必ず可能なのです。
やるべきことは単純。「運動量」を上げるだけ
営業組織の改善において、もっとも手応えのある打ち手は、「運動量の増加」です。
電話の件数、訪問の件数、アポイントの件数──
行動量が2倍になれば、売上も2倍になるとは限らない。でも、売上が増える確率は間違いなく上がります。
ある製造業の企業では、営業社員のアプローチ数が月30件程度でした。これを仕組み化して月100件にまで引き上げた結果、3か月で受注件数が2倍以上になりました。
やったことはシンプルです。個人の努力に頼らず、「行動を生み出す仕組み」を作っただけです。
多くの営業組織が抱える“できない理由”の本質
営業リーダーの方々に、なぜ行動量が上がらないのか?と尋ねると、こんな言葉が返ってきます。
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危機感がない
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向上心が足りない
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言われたことしかやらない
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何度言っても変わらない
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自分で考えない
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想像力がない
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続かない
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数字への執着が弱い…
これらの言葉はすべて“正論”です。ですが、正論だけでは組織は変わりません。
むしろ、こうした状態が当たり前であると捉えることが大事です。
理想的な社員を揃えてから営業力を上げようとするのではなく、今いる人材で最大限の成果を出す仕組みを作る──これこそが、本来のマネジメントの役割です。
“属人性”の壁を越える方法
営業の質を上げようとすると、たびたび「属人性」の壁にぶつかります。
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Aさんは成果が出る。Bさんは出ない。
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Bさんは「気がつかない」「学習が遅い」「考えが浅い」と言われてしまう。
これもまた正論ですが、多くの場合、プロセスの分解が不十分であることが原因です。
あるBtoBの企業では、「2回目アポイント率が低い」という悩みがありました。
ヒアリングを重ねると、初回訪問の内容がバラバラで、提案の型も共有されていない状態。
ここでやったことは、プロセスを「誰でも再現可能な形」に分解して共有すること。
その結果、2回目への移行率は45%から70%へと改善し、受注率も1.7倍に上昇しました。
マネジメントの改善が、営業組織を変える
売上を伸ばすには、新たな人材や商材を増やす前に、今の営業組織の運動量と質を高めるほうがはるかに確実で、速効性があります。
これは、業種業態を問いません。支援先では、BtoC、BtoB、個人営業、法人営業、どのパターンでも成果が出ています。
マネジメント次第で、営業は変わるのです。
最後に──未来に投資するには、まず売上を
これまでお会いしてきた営業リーダーの方々は、皆さん本当に真剣です。
社員の可能性を信じ、成果を上げさせたいと願い、悩みながら、日々奮闘しています。
そんなリーダーたちが、よく口にする言葉があります。
「社員を動かせないんです」
「マネジメントが苦手で…」
「どうすれば行動させられるか分からない」
でも、それは方法を知らないだけなのです。
営業の運動量は、意図すれば必ず上げられます。売上は、仕組みで伸ばすことができるのです。
売上が上がれば、採用にも、育成にも、設備にも、未来に投資ができる。
でも、売上がなければ、すべてが“縮小”に向かいます。
営業組織の改善に着手するなら、まずやるべきは、マネジメントの見直しです。
ここにこそ、経営の突破口があります。