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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第71回 必ず訪れるマネジメントの壁への対処とは?

コンサルティングを開始して3ヶ月たった、製造業の常務のYさんが、先日の面談で直属の部長の態度が変わったことを報告して下さいました。

それは、S部長に起きた変化でした。
Y常務曰く、、
「自部門のことは大変熱心だし、成果も上げる。ところが、全社的な視点で考えることができない。この点を改善しろ!と繰り返し言ってきたのですがなかなか変わらなかったのですよ」と。

Y常務は、Sさんにとても期待していました。ちょっと視野が狭いことがネックになっているとのことで、「全社に貢献する姿勢をもっとみせていけ!」これを1年越しに伝えてきたものの、まるで変化の糸口が見えなかったと言います。

M&Aの結果、組織の規模が膨らみ、違う価値観をもった人達同士が集い、これまでは起こり得なかった問題が次々と表面化するようになりました。

事業をまるっと任せる役員の育成が急務でした。Y常務にとってSさんの成長スピードを引き上げることは重要かつ緊急の課題だったのです。


ビジネスモデルの確立で、一気に競合との消耗戦から抜け出したこの組織は、仕組みで稼ぐ会社でした。

事実仕組みを使い、その仕組みを横展開することでも、上手くいったので、M&Aに踏み切ったのです。

ところが、M&Aの後、自社でも、グループ会社でも上手くいっていた仕組みが動かないという事態に遭遇しました。仕組み自体が障害になっている、、、そんな事例さえも明らかに
なってきました。

仕組みの移植を進めているチームのメンバーによれば、「過渡期だから、、、」という言葉で
「あくまで一時的な混乱である」としていました。しかし多くの社員はその説明に納得していませんでした。「過渡期っていつまで?」そんな疑問が多くの社員の頭の中に湧いていたのです。


M&A先の企業に派遣されたS部長は、担当エリアである関西事業部で記録的な売上げを打ち立てていました。ところが、関西事業部を除く他の事業部は、軒並み前年とほぼ同じか、前年割れ。

新規M&A部門も含めて、全事業の実質トップのY常務はジクジクたる思いでこの成果報告を聞いたと言います。Y常務からすれば、S部長率いる本体からのチームメンバーが業績を上げるのは当たり前のこと。S部長に託されたもう一つの課題である、「仕組みの横展開」が停滞している状況が続いていたのです。

もちろん、S部長も何もしなかったわけではありません。

S部長によれば、自分なりに古参のマネージャーに気を遣いながら、仕組みの運用方法を丁寧に教え、その後のフォローも、時間の許す限り行ったものの、まるで動く気配がなかったとのこと。

ならばと、自分の直下の部門で成果をあげて、実績を見せつけようと、やり方を切り替えたというのです。


S部長の成長のために、任せてはみたものの、事業計画との乖離が大きくなったために、戦略の練り直しが必要であると、常務は考えていました。そして、常務自らM&A先に実態把握に乗り出しました。

すると、S部長の率いる関西事業部の成果が目標になるどころか、寧ろ反発を生んでいることが分かりました。

M&A先の古参の部門長達からのヒヤリングによれば、S部長が実施した言っていた
・気遣いも
・運用方法の説明も
・フォローアップも
まるでなかったということだったのです。

「S部長のマネジメント能力の問題」が急浮上してきました。確かに、S部長は、仕組みを運用することには長けていましたが、組織をマネジメントすることが出来ていなかったのです。


ベンチャー企業で事業を統括していた時、これに似たことを私は経験したことがあります。新規事業を統括していた私は、事業を拡大スピードを上げるために、営業力の強化を推し進めることにしたのです。

既存事業は、法人営業を全く必要としない事業でしたので、社内から適任者を見つけるのは時間が掛かりすぎると考えました。

そこで、リクルートすることにしました。

社運をかけたプロジェクトでしたから、中途半端な実績の人を当てるのではなく、「年収高くてもいいので圧倒的な実績がある人」に絞って探しました。

数ある候補者の中でもピカイチの実績を出していた人が見つかりました。その候補者が所属する企業は、ビジネスモデルで圧倒的に他社を引き離して成功していた会社。当時のベンチャー企業の間では、人材輩出企業とまで言われた会社でした。事実その会社のOBは、ベンチャー企業の経営者に成っている方も多数いたのです。

その候補者は、その有名企業のトップ営業マンでした。

「あの企業のトップ営業マンなら、、あっという間に売上げを拡大してくれるに違いない。」

破格の待遇で迎えいれました。ところが、半年経っても、1年経ってもさっぱり売れなかった。

端的に言えば、そのトップセールスマンは、仕組みが合ったから売れていただけで、営業マンとしての実力ではなかったのでした。

仕組みを創ってくれることを期待したのですが、前の会社の仕組みに乗っかっていただけだったので、仕組み新たに創ることもできませんでした。


・リーダーは、現状を破壊する人で未来を創造する人
・マネージャーは、現状を正しく管理する人

こんな分け方があります。リーダーとマネージャーは同一ではないというわけです。

確かにそうなのでしょう。ただ、これは成熟企業に当てはまること。成長スピードの速いベンチャーに、「正しく管理する人」は必要ありません。「正しい」がドンドン変わるのですから。

ベンチャーのマネージャーは、未来を創造しながら、部下をも動かす人です。


 

是非、頭に刻みつけていただきたいのです。

仕組みさえあれば、、、これは妄想です。10億円程度の組織なら、ある仕組みで完結することでしょう。100億円事業を創った人はそんなこと言いません。

組織の拡大期に、事業を任せる人がいなければ、事業の拡大は出来ないからです。

これは人を育てないから起きる機会損失です。事業の場合は、この手の機会の喪失は、致命的で、リカバリーが効きません。

マネジメントの壁は必ず、どの企業にも訪れます。

もう一度言います。

マネジメントの壁は必ず、どの企業にも訪れます。

仕組みが組み上がるほどに、考える力は着実に失われます。大きな企業とベンチャーを経験したら、誰もが分かること。

マネジメントの壁は、自分の会社には訪れない。その勘違いによって払う代償は大きすぎます。

地域でNO1、
エリアでNO1、
都道府県でNO1、
業界でNO1、
を目指すなら、

マネジメントの壁を突破出来る社員の育成は、今から取りかかるべきことなのです。


S部長が、コンサルティングを受けて3ヶ月。

四国・中国事業部と、北東北事業部で、改善された仕組みの導入が進み始めました。

Y常務には、残りの事業の導入完了スケジュールと全社で対前年同期比15%増の上方修正された見込みの提出があったそうです。

これを受けての、S部長の冒頭の言葉でした。


さて、御社では如何でしょうか?

マネジメントの壁を突破する社員の育成は進んでいますか?
それとも、マネジメント壁は、御社には来ない、そんな夢を
見ていますか?