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代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第142回 俺にはそんなに時間は残されてないよ!

ある年の正月、毎年恒例になった幹部社員全員で都内の神社で初詣を済ませ、タクシーに乗り込んで数分後、M社長は、心臓発作をおこし、そのまま帰らぬ人となりました。

その約2ヶ月前には、M社長とお会いしていたので、弔報を聞いた時はとても信じられませんでした。

2ヶ月前には、いつも以上に元気で、これからの夢を語り、「次は一緒にフィリピン行こうよ!」なんていつものように、豪快に笑いながら話していたM社長。まさか、そんなことになろうとうは、思いもしませんでした。

最後にお会いした時、M社長が話していたことは、絶好調の国内事業は数年で、後進に完全い譲り、海外展開する段取りでした。いつも以上に期待に胸をふくらませ、目をキラキラさせてお話されていました。

実際、数年前から暇を見つけては、2泊3日で、東南アジアの国に足を運び、海外展開の拠点定めをされていて、目星をつけた国の将来性、市場規模、国民性を熱く語っていました。

そのM社長の会社をご支援することになったのは、M社長が「自分のマネジメントの仕方を完全に変えたいから手伝って欲しい」言われたのがきっかけでした。

結果は大成功でした。M社長亡き後、残された幹部の方々のリーダーシップを発揮され、これまで以上のペースで出店され業績を拡大されていることが物語っています。


あれだけ情熱を傾けられていた海外進出を実現できなかったM社長の胸中を思うと、どれほど悔しい思いをされただろう、そんな思いが去来します。

しかし、ある分野では国内有数の規模に事業を拡大されたこと、そして、国内の基盤を完全に作って渡すために、準備されほぼ完了間近の状態にもっていけたことには、きっと胸をなで下ろされたと思うのです。


先日ふと、M社長のことを思い出したのは、コロナ問題がきっかけです。M社長が私と出会った時、積極投資で利益はまだあまり出てない頃でした。

お会いして2回目の時、M社長と何本もワインを空け、二人でフラフラになるまで飲んで、お互いにもう丸裸になるまで、語り合いました。

今でもはっきり覚えているM社長の一言があるんです。「私が、何だって私なんかに興味をもったんですか?ここまでやってこれたから自分でやればいいじゃないですか!」言ったら、
M社長は「俺にはそんなに時間は残されていないんだ!」って、凄むように答えられたのです。

「俺は人に教えるのは苦手だから、そこはもう手伝ってもらえるならそうしたい、他にもっとやりたいことがある」と続けられたのです。

これがお亡くなりになる5年ほど前の出来事。


コロナでお亡くなりになるのは、大変痛ましいことではありますが、1年間でガンで無くなる人よりは少ないと言われています。実際にはそれほど多くはないのでしょう。でも、身近に迫っている危機であることには変わりません。

これからも、伝染病もしかり、災害しかり、いろいろなことがまた起こります。自分だけは大丈夫というのは、経営者としては無責任。M社長のことを思い出してそう改めて思ったのです。


社長にしかできないことがあります。事業の展開を考える、事業を磨き上げる、他社が真似できない仕掛けを作る。これは社長しかできない。私は到底お手伝いできない。社長以上に事業の内容、背景、環境を知ることはできないからです。

M社長は、これに社長は集中したいとおしゃった。私もそれが一番だと思いました。マネジメントは、どの社長にとっても、事業を拡大発展させるための、手段であって、目的ではない。

だから、ここへの創意工夫のエネルギーをかけるなら、社長にしかできないことにもっとエネルギーをかけたらいい。

まさに、いま、世の中の全ての社長に求められているのは、事業の舵取り。だからそこに集中するべき。

マネジメントというのは、技術です。相手が人間なら、業界関係なく、効果がでます。私が責任をもってそこは成果を出しましょう。だから、マネジメントのことは任せてください。

自分の生き様がつまった事業。自分の分身であるその事業を更に強固なものにするために、マネジメントは必須です。でも、それはもう十分に成果がでる型があるので、ただそれを導入すればいいだけです。

社長は、今の事業を仕上げてください。人にいつでも渡せる状況に一日でも早く、仕上げてください。それを受け継ぎ、更に大きくする人達を作るのは私に任せて下さい。

ただ、大切なことは、マネジメントは確かに改善するが、1日にして改善はできない。早くても、半年です。会社の規模が大きくなれば、もっとかかる。M社長のところは、4期、2年かかった。

何が起こるか分からないからこそ、今すぐにでも、組織を自ら成長する組織に作り替えることが必要です。それが、私がM社長と約束して、実行したことです。


話が変わりますが、弊社のプログラムにとても大きな変化がこの数ヶ月間に起きました。

これまで使っていたツールを改善したものを2つの会社で導入テストをしました。その効果、絶大でした。なんと、これまでの記録を打ち破り、最短2ヶ月で、組織で成果を出す人が出始めたのです。

もちろんん、個人で成果を出すだけではありません。組織で成果を出す人が出始めたのです。それも、誰か1人ではありません。4名がスルっと自分の部下の行動を変え、組織の成果をベラボウに上がってしまったのです。

7年目、8年目という中堅の部下の悪習慣を絶つ。悪が頭についても「習慣」の力は絶大です。どれほど注意しても直らなかった。もうあきらめかけていました。

4名のリーダーの一人のFさんと最初に面談した時に、部下のKさんについて困りが口からでてきました。
「このK(さん)は、とにかく期限を守れず、社内からの評価がメチャクチャ低いんですよ」
「あきらめも早い」「言い訳ばかりする」「教えても、すぐに動かない」というダメ出し連発でした。

それが、入社9年間で、Kさんは初めての予算達成実現。報告期限も厳守。こうなると、周りのほうで「Kさん何かいいことあったの?」と噂が飛び交うほどでした。

Kさん自身、自分の悪習慣を認識していて、直そう、直そうとは思いながら、数年が過ぎ、気づいたら8年目になっていた。そんなところから始まったプロジェクト。

Fさん以外にも、Tさん、Yさん、Hさんと、40代の課長、係長が軒並み、部下の成果を上げることに成功していきました。


これはもちろん偶然の産物ではありません。全て設計し尽くされて、できたマネジメントの型を実践しているだけです。

難しいことは何ひとつありません。ただ、手順に従って、こなすだけです。理論はありますがこの技術を使う方が理論を知る必要はありません。成果がでるマネジメントができればいいのです。

スマホに移る動画が、どのような仕組みに基づいて圧縮処理されて、暗号信号と共に、近くのアンテナを認識して、、、なんて、知らなくてもスマホは使えて、必要な動画が見れればいい。知りたいなら、いくらでも説明しますが、理論を知ることもよりも、実際に目の前の部下に使えるようになることが重要なんです。

更に、強力になったこの技術、導入してみたら、きっとその意味がわかっていただけるはずです。


さて、あなたの会社の場合は如何でしょうか?

忙しいとなかなか関われなかった部下との関わり合いは増えていますか?
その関わり合いを通して、着実に部下を成長させ、組織の成果を拡大できるものに成っていますか?

もしそうじゃないとしたら、折角の組織の成長の絶好のタイミングを台無しにしていますよ。