代表 木村黒バック写真 コラム「組織の成長加速法」-第6話 優秀な幹部社員だからこそ陥る罠を回避せよ

先日ある経営者とお話してましたら、「拡大計画をストップしようと思っている」とのこと。アジア進出も視野に入れているというお話も伺っていたので、どういう
ことなのかよくよくお話を聞けば、拡大をストップするのは、
「マネジメントできる人がいない」というもの。

社長からみると、部門をとりまとめる幹部や、幹部候補の部門長が部下になめられている、
とのことでした。
統制が効かない。指示が徹底されないというのです。

業種業態関係なく、もしそれが本当であれば、組織は機能不全に陥ります。

一体どうして社長がそう思ったのか、更に詳しく聞いてみました。

すると、
社長が幹部や部門長からの報告を聞いているといつもこう思うことがあると言ういうのです。
「なんでこんなことが徹底できないのだろう。」「なんでこの状態を
放置しているのだろう。」「なんで?」「なんで?」、、ということが日常茶飯事だと。

この状況をみていて、社長が出した結論は、部門長が部下になめられている、
というものでした。

顧客からのクレームのほとんどが、ビジネスマンとしては当たり前なこと
ばかり。社長にしてみれば、こうした問題は何回も繰り返されているのがおかしなことで、
なんら対策が講じられていないのと同然だというわけです。

社長の憤りはごもっとも。思い詰めた社長の顔が強く印象に残っています。

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私は似たような事例にこれまでに何度も遭遇しています。

組織をして成果を出せない管理職の一つのパターンは、今回のように、
部下になめられるケースです。統制が効かないため、何一つ指示が通りません。

またこうした経営幹部、管理職は、個人としては非常に優秀です。

こういう状態にあって、優秀な管理職は何をするかというと、
”自分一人で孤軍奮闘、なんとか帳尻を合わせようと必死で頑張る”
のです。

お察しの通り、この状態は、ある程度の規模まではなんとなかっても、
規模が拡大してくると、どんなに優秀であっても帳尻あわせができなくなってきます。

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どの経営者も、この状態を見ぬふりをしているわけではありません。
ただ、有効な手段がとれないまま時間が経過してしまっている
事例を多くみてきました。

例えば、
社長は、いつもその管理者と接しているので、頑張っている姿をよく知っています。

もちろん、社長の目には、すぐに限界がくることは明かで、部下の育成や、権限の委譲を勧めます。

ところが何度伝えても改善しない。そこで、ある時、改善を強く迫ります。
すんなり改善すればいいのですが、社長の意に反して、自体は別の方向に進みます。

社長から現状の打開を迫られた優秀な社員は、責任を感じてそれまで以上に頑張るという状態になり、
家にもまともに帰らないようになったりします。

いよいよ周りからも心配する声が上がり始めますが、
周りもどう手を出してよいかわからず、ただ、遠巻きに眺めるだけ。
状況は一向に改善しません。

こうした幹部、管理者は社内でも、1、2を争う優秀な社員です。
万一この人が辞めることを考えると、大混乱は避けられません。

そうなると、社長もこれ以上強く迫れなくなってしまいます。
こうして状態は変わらないまま、時間が経過していくのです。

ところが、ところが、自体はこのまま膠着状態というわけでありません。
組織はゆっくりと緩慢な死に向かっていきます。

よくある症状としては、部下が、一人、また一人と辞めていくのです。
ある時はそうした部門で半年で4人が辞めました。部門の1/3の人数でした。

部門の1/3が辞める。当然売上げにも影響が出てきます。
単年で考えれば、たいしたことないとも言えますが、もし4人が残った場合の会社への収益貢献を考えると、
その損失の規模は億単位です。

深刻な問題ではあるのですが、有効な打開策が見つからない。

「この状態は改善できるのだろうか?」
「この幹部、管理職が変わることがあるのだろうか??」

「いっそのこと、この管理職を入れ替えるべきか。」
「いやそれはあまり影響が多きい。一緒に辞める部下も出てくるかもしれない。」

「一体どうすればいいのだろう。。。」

同じような考えが消えては浮かび、浮かんでは消えていきます。

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冒頭の会社では、社長曰く、こうした幹部社員が一人だけではなく、
何人もいるのだというのです。

「だから、もう、今後、組織の拡大のことが考えら得ない。」
「現状の組織の維持がままならないのだから、」と。

これはもう悲劇という他ありません。言ってみれば、win-win の真反対、
関係者全員がlose-loseの状態です。

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部下になめられながらも、一生懸命頑張る管理職。

当の本人に話を聞いてみると、
悪気がなどみじんもありません。

だからこそ、困難な面もあります。
しかし、この局面は必ず打開できます。

経過してきた時間と比較すると、驚くほど
簡単にこの状態は改善の方向にもっていくことができます。

これまでの経験からすると、
優秀な幹部、管理者は、正しいやり方が分からないだけ
のことが多いのです。

否、正確にいうと、
やり方や、方法に関しては、本で読んだりして、
ある程度知っているのです。

だけど、本で読んだことが自分の状況にぴったり
当てはまっているかどうかは判断できないのです。

また自分や部下の色に合うかも分からない。

社長が困っているのと同様、
経営幹部、管理者本人も困っているのです。

問題も認識しています。
ただ、どう具体的に勧めたらいいかが分からないのです。

元々は
優秀な社員ですから適切な対処法を学べば見る見る
状況を改善することができます。

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さて
御社にも、部下を持つ管理職は何人もいらっしゃいます。

御社では、どうなっているのか?是非ご確認ください。